その手料理は誰のため
新年、私たちは城下に引っ越した。
お母さんが「1度住んでみたかったのよね」って言って導師を降りたみたい。
あ…ぼーっとしてたら、作りすぎちゃった。シェイラちゃんにおすそ分けしようかな。
でかけるとマンフレッドさんがいた。
サラ「マンフレッドさん?顔色が悪い…」
マンフレッド「あ、サラさん。大丈夫だから」
サラ「ダメです!これ、食べてください」
マンフレッド「ありがとう」
── 沈黙の時間
サラ「お味いかがですか」
マンフレッド「もしかして誰かにあげる予定だったの?」
マンフレッドさんが一瞬だけ思いつめた表情をする。
サラ「シェイラちゃんに」
マンフレッド「そっか、すごく美味しいよ」
にこっと微笑む。さっきの表情は気のせい?
マンフレッド「僕はもう行かないと、また学校で」
*
マンフレッド(料理がポールのためだと勘違いする僕の頭も相当、疲れてる)