女友達の紹介
新年あけて、アンガスさんが騎士隊長となり私たちは正式に付き合うことになった。
(私がアンガスさんの恋人か…なんだか…夢みたい)
ウィアラ「すっかり春ねぇ…」ウィアラさんが気候のことを言っているわけではないのは私でもわかる。
チヤ「はい…あのアンガスさんと付き合うことになりました」
ウィアラ「知ってるわよ、国中が話題持ち切り。あのアンガスに恋人ができたって」
持ち切りって、どんな生活をしていたらそんなに注目されるの?アンガスさん……。
*
そういえば私に友達ができた。
一人目はティムさんの恋人。ティムさんよりも4つ下(アンガスさんと同い年!)で"良く出来た性格"のアネットちゃん。
畑仕事をしていると差し入れをくれて面倒見がいい。
二人目はアンテムルさんの恋人。アンテムルさんよりも2つ下(アンガスさんと同い年!)で"元気先行"のバルバラちゃん。二人ともそっくりで双子かと思うほど。兄弟って好きなタイプ…似るのかな?
今日はそんな二人との酒場で女子会(?)を。
バルバラ「アタシとアネットって同い年だから双子って間違われてたよねー!」
アネット「そうだね」
チヤ「うん、私も驚いた」
バルバラ「いやいや、私たちはアンガスが恋人を作ったほうが驚いたよ…」
そういえば彼女たちはアンガスさんと同い年…どんな学生生活を送ったんだろう。聞きたいような聞きたくないような。
……うん、聞くのはやめよう。話題を変える。
チヤ「アネットちゃんはティムさんとどう?」
アネットちゃんは両親が元騎士でいかにもお嬢様育ち。城下で暮らしているからよく顔を合わせるのかもしれない。可愛らしいノロケ話を話してくれた。
アネット「そうそう、バルバラはアンテルムさんと付き合って一気に婚約までしたよね」
バルバラ「ふふ…可愛いよね~アンテルムって!」
アンテルムさんが…可愛い?
バルバラちゃんの口からはアンテルムさんとの型破りな馴れ初めが聞けた。
あのときアンテルムさんは、私に失恋し、アンガスさんに負けて騎士隊長の座を奪われた。傷心に浸る時間すらも与えないバルバラちゃんの行動力に驚く。さすが元気先行…
もしかしてアンテルムさんはバルバラちゃんが、弟のアンガスさんと少しばかり性質が似ているところを感じて、付き合ったのかもしれない。
(アンテルムさんって振り回されるのが好きなのかな?)
疑問は確信に変わった。なぜなら後日呼ばれた結婚式では、アンテルムさんの親友席が年下の"むじゃき"な性格のホセ・マリアさんだったからだ。
──で、チヤはどうなの?二人が私のほうを向き直す。
チヤ「アンガスさんとはまだ付きあったばかりだから何も…」
二人は頬を膨らませて、定期的に女子会をしないとねと言った。
個性的で可愛い女友達に囲まれて、とても楽しい日々が過ごせそうです。