出産そして。
アンガスとチヤのお話を154日ぶりに更新。この代の話を知りたい人はこちらから。
私の妊娠がわかってからのオスキツ陛下はいつも機嫌がよくて
積み木やお人形を持ち歩いている。
既に孫が何人もいるんだけども。
オスキツ「あのアンガスの子だ、また別の感慨深さがあるよ」
ヴィクトリア「うちの夫が何度もお邪魔してるみたい。ごめんね」
チヤ「いえいえ!」
アンガスさんと出かけると、ご両親も揃う。仲が良い一家だな。
オスキツ「チヤちゃんは身重で、水辺なんて冷た…」
アンガス「あーもう!オレがいるし、無理させてないし…」
ヴィクトリア「あなたたち…」
アンガス「チヤ、試合に勝ったよ」
チヤ「アンガスさん、おめでとうございます」
アンガス「どう、かっこいいパパっぽいでしょ。ね?」
チヤ「ふふ、そうですね。山岳兵の姿ですけど」
ティム「チヤちゃん、つわりは平気?」
チヤ「平気ですよ」
ティム「よかった、それならこれ。リラックス効果があるんだ」
チヤ「わぁ、嬉しいです」
ティムさんから香水を受け取ると立て続けにアンテルムさんが来た。
アンテルム「その…アンガスは料理できるのか?」
チヤ「はい、甘いものが多いですけど美味しいんです」
アンテルム「甘い物、か…バランスの良いものを食べなさい」
チヤ「美味しそう!ありがとうございます」
アンテルムさんは近所に別の区画に住んでいるけど家族で頻繁に会う。
いよいよ出産の日。アンガスさんは意外にも落ち着いて、安心する。けど仕事に向かったアンガスさんを見送ると…不安が襲ってくる。
でも、みんな…会いに来てくれて励ましてくれた。
ヴィクトリアさんとオスキツさんはおそろいの香水しているのかな?いい匂い。
こんなにも温かく見守られて
私は幸せだなって思う。
生まれてくる子もきっと幸せな未来を歩めるはず。
長男が生まれて「ギネス」と名付けた。合理主義な性格の男の子だ。ヴィクトリアさんもテレーゼさんも合理主義。縁がある。
アンガス「チヤ、ゆっくり休んでね」
身体も落ち着いて試合もこなすけども、ウィルくんに負けてしまった。ウィル君は騎士になり、私の家のお隣さんになる予定。
同時にアンガスさんも試合に負けていた。
アンガス「今日の試合、負けちゃってさ…てかチヤも負けたんだよね。残念だったね」
アンガス「でも、来年は子供も大きくなってゆっくり家族の時間が持てるしいいかー」
チヤ「ふふ、アンガスさんらしい」
星の日はアンガスさんに誘われて浴場へ。試合で疲れた身体を癒す。
少し散歩をしているとアンガスさんが様子を見に来てくれた。
アンガス「何してるの?」
チヤ「星の日の綺麗な景色を眺めているの」
アンガス「綺麗だね…」
二人で並んで静かに空を見上げた。きっとずっとこんな日が続くと思っていた…
けども、悲しいことが。陛下が床に臥す。
チヤ「オスキツさん、元気になってください…」
ヴィクトリアさんは落ち着いていて気丈だった。
オスキツ「アンガスもいいパパになったしな、可愛い孫たちに囲まれた。思い残すことはない。皆…そしてヴィクトリア、ありがとう」
家族、孫、友人に見守られ息を引き取るオスキツ陛下。