親戚だけどお友だち
知らない男の子からの「くさい」か……頭の中がぐるぐるしたまま
学校に行くと、マルチナちゃんが心配してくれた。
アンガス「エナ、どうしたの?」
エナ「パパ、男の子って怖いね」
アンガス「そうだね!怖いから近づいちゃいけないよ!」
エナ「そ、そうなの?」
ギネス「エナ、釣りでも行くかー?」
鈍感に見えておにいちゃんは優しい。わたしが元気がないのに気がついているのかも。
ありがとう、おにいちゃん。
*
ソロモン「最近、元気なかったね」
エナ「実はね…」
ソロモン「そんなことがあったのか」
ソロモン「知らないヤツの言葉なんか気にしなくていいよ。ほら、これでも食って元気だしな」
みんなのおかげで、元気が出たかも。
*
ソロモンさんには、お礼に料理を作ったの。
喜んでもらえてよかった。
また大好きな友達と過ごす変わらない日々。
*
今日は収穫祭。
アンガス「釣り大会だね、エサを買っとかないとね」
エナ「?」
チヤ「釣り大会だね、エサを買っとかないとね」
エナ「??」
エナ「おにいちゃん、こどもでも釣り大会に参加できるの?」
ギネス「いや、できないし……」
ギネス「てか、エナは神殿のお祈りを見に行かないの?」
エナ「そうだった!」
急いで神殿に向かうと豊穣の祈りがはじまるところだった。
(わぁ…エナの子の男性かっこいい!ヤニックさんって言うんだ)
もちろんアンテルムさんもかっこいいし、テレーゼさんも綺麗。
わたしもいつかエナの子に選ばれて、お祈りに参加したいな。
勇気をだして、はじめて親戚以外の男性に声をかける。
エナ「あの…お祈り…素敵でした!」
ヤニック「ありがとう」
*
オロロ「お菓子いっぱい集めたね」
エナ「しばらくお菓子に困らないね」
マリーさんのお店でお菓子をもらって、ほくほく顔で歩いていると向こうから顔色の悪いセオフィラスさんが!
セオフィラス「お腹すいた…」
エナ「このお菓子よかったら食べてくださいっ」
*
セオフィラス「今日はありがとう。あのさ…よかったら友だちになろう」
エナ「は…はい」
友だち?親戚だけど、友だち?なんだかくすぐったいような気持ちが込み上げてくる。
アンソニー(青春だな…)
*
ギネス「エナ、釣りに行こうぜ」
エナ「おにいちゃん、親戚は友だちになれるの?」
ギネス「は?いとこなら恋愛対象にもなるし」
アンガス(余計なことを……)