変化
春になったので衣替え。評判はどうかな?
わーい!!評判がよくて嬉しいな。
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ロニー「エナさん、何をしてるの?」
パパの親友であるロニーさん、いつみても爽やか。
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ブリス「エナさん、学校は楽しい?」朝に話しかけてきたブリスさん。
夜に「仲良くならない?」と聞いてくれた……でも……
ギネス「オレの前でよく妹を口説こうと思ったな」
ブリス「やっぱりダメだった?」
おにいちゃんに怒られて帰ってちゃった。
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学校は毎日ちゃんと通ってるけど、親戚の誰かが必ず様子を見に来るの。
ラヴィニアさんがお腹が空いていると言ってるそばで、バルバラさんがお菓子の差し入れ。
ティム「エナ、調子はどう?」
エナ「セオフィラスさんと一緒に遊びに行ったり、勉強したり楽しいです」
ティム「そっか、息子をよろしくね」
みんな卒業していっちゃうから同級生の親戚とは仲良くしないとね。
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今日はパパの試合。
けど、負けちゃった~
エナ「パパ、元気出して!」
アンガス(励ましてくれる娘が可愛すぎる)
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マンハリン「オレ、エナと遊びに行ったりしたい!」
エナ「わたしと?うん、いいよ!」
仲良しになったマンハリン君。
マンハリン「ほら、料理に使えるだろ」
マンハリン「エナ、これプレゼントだ!」
エナ「マンハリン君、いつもありがとう……」
マンハリン「これくらい、どうってことないよ。じゃあな!」
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ソロモン「エナさんにプレゼントだよ」
エナ「えっ!」
ソロモン「プロポーズして驚かせてくれたお礼」
エナ「わたし、この前はそんなつもりじゃなくて💦」
ソロモン「はは、冗談。エナさんが可愛いからだよ」
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エナ「ということがあったの……わたしは採取も料理も上手じゃないから、何をお返ししたらいいのかな?」
アンガス「ソロモンもマンハリンも許さなn…いててて」
チヤ「エナはまだ子供だから、嬉しいと思ったらそのまま受け取ればいいと思うわ。ね、アンガス?」
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今日は待ちに待った収穫祭。
駆け足で神殿に向かうと、ヤニックさんがいた。
エナ「ヤニックさん、お誕生日おめでとうございます!」
ヤニック「誕生日、知ってるんだね。ありがとう」
よかったらこれ……わたしの周囲のみんなが当たり前のようにプレゼントを贈り合う中で、想定していない言葉が投げられる。
ヤニック「ごめんね、受け取れないよ。これは好きになった人に渡すといいよ」
エナ「……?わたしはみんなもヤニックさんも好きですよ」
ヤニック「プレゼントを受け取ることで誤解したり、悲しむ人がいるから。ごめんね」
ヤニックさんはモテるからたくさんの贈り物に困っているのかもしれない。でも、なんでだろう?胸がちくりと痛む。
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収穫祭では、宝さがしで見つけたものを友達同士で贈り合う習慣がある。
でも、物をあげたり、受け取ったりすることで誤解をしたり、悲しむ人がいる……か……ヤニックさんの言葉を思い出す。
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ソロモン「エナさんにこれ、プレゼントだよ」
エナ「わーすごい!きれいね……ソロモンさん、大きくなったらお礼するね。でもそれで誰かを傷つけたらどうしよう」
ソロモン「エナさん……」
何かを言いかけて、わたしの頭をぽんぽんと撫でた。
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収穫祭、ヤニックさんの言葉で少しだけ視野が広がった気がするの。私は優しい家族や親戚や友達に囲まれて、何も知らないんだなって自覚をする。