エルネア王国ガイド

ワールド・ネバーランド「エルネア王国の日々」攻略・まとめ・プレイ日記

デューイの憂い

ティナ「っ…」

ティナは重い まぶた を上げると、茶色の天井が目に入る。

デューイ「目が覚めたか」

ティナ「お兄様……」

エルネアに来てから初めて会えた家族の姿に、瞳に涙を たた え、兄の名を呼ぶがすぐに 苛立 いら ちを含んだ声に さえぎ られる。

デューイ「なんであんなところにいたんだよ!!」

荒々しい語気に、ティナの身体がびくっとなる。

ティナ「ごめんなさい……図書室に行きたくて」

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デューイ「はぁ?方向は逆だよ、逆。木造橋じゃなくてカルネ皇帝の橋を渡るんだ」

大きな溜息をつかれる。

デューイ「オレは忙しい。あとは暇な王子が駆けつけてくるっていうから任せる。それとご飯を作ったから、しっかり食べろ」

サイドテーブルに置かれたお粥は暖かい湯気を出しながら、美味しそうな匂いを漂わせていた。

ティナ「ありがとうございますお兄様、もう少し冷ましてからいただきますね」

慌ただしく家を出るデューイと入れ替わりにアンガス王子が訪れる。

アンガス「ティナ、大丈夫?」

ティナ「はい……」

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何度も女を泣かせてきたアンガスだが、大きな瞳に零れんばかりの涙を湛え、気丈にも”大丈夫”と応える上目遣いのティナに、アンガスの 嗜虐心 しぎゃくしん あお られ、ゾクゾクと背中が 粟立 あわだ つ。

アンガス「オレが迎えに行くというのに待たないから……あ、お粥はオレが食べさせるね」

ふーふと冷ましてティナの口元にスプーンを運ぶ。

ティナ「ん……おいしい」

アンガス「お、プルト茶がゆじゃん。デューイさん、口が悪いけど心配してるんだな」

プルト料理の茶がゆはシンプルながらも身体の回復に向いており、ティナは兄の優しさに胸が温まった。