エルネア王国ガイド

ワールド・ネバーランド「エルネア王国の日々」攻略・まとめ・プレイ日記

ここで終わり

着替え終わった二人は手持ち無沙汰を避けるために、自然と二人で夕食を作る形になっていた。

沈黙の中、カチャカチャと皿に料理を盛り付けする音だけが部屋に響く。

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最初に口を開いたのはアンテルム。

アンテルム「国民服も似合う」

ティナ「ありがとうございます、サイズはぴったりでアンテルム様の見立てがいいのですね」

まるでティナの身体の形を知っていると言われた気になったアンテルムは慌てて話題を変える。

アンテルム「……そうだ、身体を温めよう。私はめったに飲まないのだが、ポムワインを出そう」

ティナは、とくとくとポムワインが注がれたグラスを見つめていた。それから手に取り、口へ持っていった。口に含むたびに熟れた果実の甘さが喉を撫でて、小さな温かみに変わる。

ティナ「アンテルム様、わたくしお酒は初めてです!おいしいですね」

アンテルム「それは、よかった」

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飲みやすいおかげか、食事をしながらティナはひとくち、ふたくちとポムワインで喉を潤す。

ティナ「そうだ!見てくださいっ……アンテルム様のおかげで傷がなくなりました」

立ち上がってスカートの裾が旗のようにひるがえり、なめらかな白い脚が露わになった。酔いのせいか、ティナに恥ずかしさは感じなかった。

アンテルム「……」

ティナ「アンテルム様?」

アンテルム「幼い頃からティナさんは天使だと思っていた。久しぶりの再会でもそう思っていた。……だが、こうして無防備に男の家にあがり、肌を見せるなんて小悪魔だ……私の心をかき乱さないでくれ」

小さい声で噛みしめるように呟く。

ティナ「?」

アンテルム「私は充分にお礼をしてもらった。傷がなくなったなら、こういうことも今日で最後だ。部屋まで送ろう」