嫉妬?
試合を終えたアンガスさんと二人になった。
「あのさ、オレ…騎士になるって言ったよね?」
「はい」
「あの流れだとフツー、オレの応援に行かない?」
「もしかして…今朝の不機嫌な様子は、私がアンテルムさんの試合の招待を承諾したからですか?」
「それだとオレがアンテルムに嫉妬したみたいだから認めない」
「女性に囲まれているのをみて、応援は間に合っているかなと思ったんです」
「そこはチヤが嫉妬しろよ」
嫉妬、嫉妬って。なぜそのような感情を持たなければいけないのか。
「オレがやる気を出してるのはチヤの…!!」アンガスさんが一瞬、ムキになる。
「いや、もういい。次は応援に来てくれ」
「はい…わかりました」
「お守りはキスでいいよ」
わかった。この人はすべての女性を自分のモノにしないと気が済まないんだ。私はそんな戯れに付き合ってられない。きっぱり断らなきゃ。
「キスはできませんが、お守りを用意しておきます」
「じゃ、騎士になったらキスさせてね」
じゃ、って会話の流れが不自然でしょう。この人ってば…もう。