誕生日、そしてプロポーズ
「アンガスは手料理が嬉しいんじゃないかな」
私は王族の皆さんと釣りへ来ていて、アンガスさんの誕生日プレゼントは何がよいかを相談した。
「手料理か……頑張ろう!」
「ウィアラさん、ケーキの作り方を教えてください」
「いいわよ」
材料の準備不足で誕生日の当日になってしまったが、ウィアラさんは快くレクチャーしてくれた。
「チヤ、おはよう」
なんというタイミングなんだろう、料理を教わっているところにアンガスさんが登場。
「ん?朝ごはん食べてないなら一緒に食べようよ」
自分の誕生日を忘れているのだろうか。まさかアンガスさんの手料理を食べることになるとは…
「チヤ、美味しい?」
「はい、すごく美味しいです」
ウィアラさんのほうに目をやると、私たちがおかしくて仕方ない様子だった。
家に戻ってケーキを作ったものの、渡すタイミングを完全に見失ってしまった。
夕刻、涼みに川辺まで行くとアンガスさんが私を呼び留める。
「明日、デートしない?」
「はい!」
── 言うなら今しかない。
「アンガスさん、お誕生日おめでとうございます!」
「え、ああ!すっかり忘れてた。これって…ケーキ?すごく嬉しいよ」
「喜んでもらえてよかった…」
「そうだな、チヤの誕生日にはとびきりの贈り物をあげよう。楽しみにしてて」
*
今日はアンガスさんの授業の日。
「何してるの?」ティムさんの声。
「アンガスさんの"先生"を見たくて教室に来ちゃいました」
「チヤちゃん……ずいぶん素直になったね」優しく笑う。
「そうだな、隣の部屋なら子供たちの邪魔にならないからおいで」
隣の部屋で授業が始まるのを待っているとアンガスさんが入ってきた。
「またそうやって隠れてオレの様子を見て…」
飽きれながらも優しく口づけをする。
私はアンガスさんのいろんな一面を発見するのがすっかり最近の楽しみになっている。
アンガスさんの授業は分かりやすく、そして楽しい。子供たちから人気があるのも頷ける。
*
アンガスさんは試合に敗れ、少し気が軽くなったのか、毎日デートに誘ってくれた。
*
星の日の前日、私はアンガスさんに呼び止められた。
「チヤ!明日、迎えに行くから絶対に一人でいて」
「え?は、はい」
「……約束だよ」そう言って口づけをする。ご両親が目の前にいるのに!
オスキツ国王/ヴィクトリア王妃
(いよいよだな……/いよいよね……)
*
【アンガス視点】
オレは朝から覚悟を決めていた…チヤにプロポーズする…する…s
「アンガスさん、上の空ですが…嬉しくないですか?」
光の花を差し出すチヤ。
「いやいや、嬉しいよ。大切にする……(あ!!)」
チヤに贈り物をされて気が付いたが、指輪を買い忘れてた…オレとしたことが。
「それで、話ってなんですか?」
指輪はないけど想いを伝えることを最優先しよう。
「大事な話がある」
「はい……」
朝の神殿のアトリウムは静寂に包まれていた。
「チヤ…実は……」
覚悟を決めて口を開くと同時にゴーンと朝2刻を知らせる鐘がなる。
やばい!星の日の祈りだ…!
オレは緊張のあまり騎士隊長の仕事をすっかり忘れていた。
(さすがに怒られる…これで結婚を反対されたらたまったものじゃない)
国王である父さんの顔が浮かんで、慌ててその場から駆け出す。
「チヤ、ごめん!!」
チヤは一人で茫然としていた。
アンガスさんは終始、上の空。大事な話があると呼び出され、そして「ごめん」という言葉を残して私を置いて行く。
導かれる答えはただ一つ「別れ話」。それに気が付いて涙がぽろぽろと頬を伝っていた。
*
夕刻を回る頃、アンガスは息を切らしてチヤを探していた。
「はぁはぁ…チヤ…お待たs!!えっ、誰に泣かされた?」
「別れても…時間が経てば立ち直れます。今だけ泣かせてください」
えーーーー?
あーーーー!
そうだよな、朝からこの流れは別れ話だと思うよな!違う違う、急いで否定をしなきゃ。
「チヤ!ちょっとこっちへ」
神殿に座って涙を流すチヤをアトリウムに連れ出す。
「今日はその……聞いてほしいんだけど」
「はい」チヤの涙は止まらない。
(オレはなんてことをしてしまったんだ。)
アトリウムにワフ虫が増え、その景色に誘われた多くのカップルや家族連れが散策を楽しんでいた。
他人の目は気にしない。気にしている場合じゃない!
チヤの前でオレはひざまずく。
「これ……オレと結婚してください!」指輪をかかげる。
その光景は周囲の人を驚かせる。あのアンガスが結婚を決めた、と信じられない出来事に時が止まったように静寂が訪れた。
チヤは目を丸くして小さく「はい」と返事をする。
返事を聞いてオレは、チヤの手を取り指輪をはめてそっと手の甲にキスを送る。
「仕事だって忘れてた…一人にさせてごめん」
チヤもオレが騎士隊長だったのを思い出したのか涙を止めて、はっとした顔をしていた。可愛い…じゃない…えっと、
「来年は騎士隊長じゃないけど、オレはチヤだけの王子…そして
「はい…私もアンガスさんを愛しています」チヤの目から再び大粒の涙がこぼれる。今度は喜びの涙だ。
「は…よ、よかった…じゃ、今から式をあげよう」
「アンガス、落ち着け。結婚式は数日後だ」アンテルムが肩をぽんと叩いた。
チヤはいつの間にか、母さんにどこかへ連れて行かれてしまった。
周囲に身内がいたのかよ…
「かっこよかったぞ、アンガス…ふっ」アンテルムが笑いをこらえて肩を震わせている。 むかつくな…
*
もう少しプロポーズの余韻に浸りたかった気もするが、気が付けばヴィクトリアさんに連れられて、今はこの状態だ。
「お祝いよー!ウィアラさんどんどんお酒を持ってきて!」
「ヴィクトリア王妃…」
「お義母さんと呼びなさい、オスキツはお義父さんよ」
「は、はい」
*
実際に起こったことを再現+脳内補完してみましたw以下投稿のリプ欄を参照ください。
プレイ日記は書き溜め終わったので安心して進行してるんだけど、アンガスのプロポーズが奇跡ってくらい面白いこと起きたwww本人は必死っぽいけど中の人はわろてもうたwwwこういうのが起きるからワーネバやめられん!!
— 野良いむ (@elnea_wnl) June 23, 2018
今からスクショと共に↓リプで起きたこと書く。これはプレイ日記にも残そw