エルネア王国ガイド

ワールド・ネバーランド「エルネア王国の日々」攻略・まとめ・プレイ日記

一年が終わる

「貴方たち二人もあっという間ね…とても感慨深いわ」

ウィアラさんは結婚式について説明をしてくれた。

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アンガスさんはプロポーズの時とはすっかり変わって、余裕の様子。

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「チヤ、緊張してる?」

「してますよ…式のときに転ばないか、ちゃんと妻ができるか……考えることが多くて……」

「ん、オレが受け止めるから平気」

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アンガスさんなら、なんとかしてくれる。

── あれ?アンガスさんの言葉…出会ったころは軽くて信用に足らないって思ってたけど、すっと心に入る。なんだかティムさんみたい。

(ニヴの丘のあの岩の表情…最初にみたときと印象が違う)

私たちは結婚式までたくさんのデートを重ねた。すべての景色が旅人のときとは違って見える。

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だけど、なぜか浴場だけは雰囲気が違っていた。これまでも何度か二人で浴場へ行くことがあったのに、なぜ今になって意識をしてしまうのだろう…それはアンガスさんの私への触れ方が変わったように思えたから?

「……」

「……チヤ?」

「のぼせちゃいそうで…結婚したらまた一緒にきてくださいっ!」

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アンガスさんはロニーくんに結婚の報告をしていた。

「チヤさん、お幸せにね」

「そりゃオレと結婚するんだから幸せになるに決まってる」

「アンガスさん、そうやって調子にのるから……」

みんなのアイドルであるロニーくん、享楽的なアンガスさん。凸凹な二人だけど、学生時代からの仲の良さがうかがえる。

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私たちは婚礼衣装に着替えた。アンガスさんは、爽やかな海辺をイメージしていて眩しいくらいに王子度が増している。

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「チヤちゃんは落ち着いた静かな夜海のようなドレスだね。でもね、本当は激しいものを胸に秘めているんだよ」

二人はとてもいい関係だ、とティムさんの言葉が嬉しい。

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「チヤくん、これ結婚祝い」

ニコニコしたオスキツ国王の手には木剣が握られていた。これは結婚式に使われるのかな?儀式的な何か──?

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「いや、それ…子にあげるやつ…」アンガスさんが何に使うか教えてくれる。

アンガスさんとの赤ちゃん!?……思わず顔が熱くなる。アンガスさんへの意識が少しずつ変わっていく自覚がある。

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【アンガス視点】

オレはチヤが眠るまでベッドの横に椅子を置いて、そばにいてあげていた。こうすることでチヤが深く眠れるからだ。いつからかこれが習慣になっていたが、手を出さない健全なオレを自分で褒めてあげたい。

 

婚約してからこれまでのチヤの様子を思い出す。

浴場デートでオレと少しでも触れると慌てるし、父親が木剣を渡したせいで、チヤが変にオレを意識している気がする。

 

(まぁ、でも意識してもらわないと子づくりの覚悟ができないし……)

 

安心しきって眠るチヤの顔を眺める。

「愛してる、オレたちの子どもを作ろう」

オレはチヤにそっと口づけをした。

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【チヤ視点】

結婚式の前日、関係者に挨拶するもそれがかえって緊張感を高めてしまった。

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「チヤ、そんなに焦らなくていい。いつも通りでいいから」

緊張している私をアンガスさんの手料理で落ち着かせてくれた。

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皆から祝福の言葉を受け取り、厳かに式が執り行われる。

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(お父さん、お母さん…ずっと見守ってくれてありがとう)

 

私は過去と決別するように自分の姓を捨て、ブヴァール姓を名乗った。

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「結婚おめでとう」私はウィアラさんから結婚祝いを受け取る。

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アンガスさんと家族としての生活がはじま……

 

!?!?!?

私はベッドのヘッドボードに頭をぶつけてしまった。

結婚は、ねやを共にすることでもあり……そう、この状態である。

 

これ以上は後ろに下がれない…

 

「チヤ、逃げないでよ」

アンガスさんの色っぽい瞳が私を捉えて離さない。

 

「オレと結婚したこと後悔してるの?」

色っぽい瞳から突然、捨てられた子イムのような表情を見せる。

 

「…」それは違う、と首を横に振った。

「じゃ、わかるよね?」睫毛が触れるほどの至近距離でアンガスさんの瞳が光る。

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「ようやくオレの手で、すべてを手に入れた」

アンガスは艶やかに濡れた自分の指先を満足そうな目で観賞し、口に含む。

「一生をかけて愛するよチヤ…」

それから気を失ったとも言えるだろう、眠ったチヤの頬を撫でて優しく微笑んだ。

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── 翌朝

「よく眠れた?」

「……」返事がなくスープを黙々と口にする、チヤのぼーっとした顔もまた愛おしいと感じるアンガス。

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「神殿のアトリウムまでデートしようか」

「はい……」

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冬の冷たい風が頬を撫でる。昨晩の熱を冷ますにはちょうどよい風だ。

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「実際に結婚してみてどう?」

「結婚してどう?って昨日の今日じゃないですか!もう!」チヤが飽きれたように笑う。

「やっと笑った」

 

「あ…」

「昨晩はごめんね、可愛くて仕方なかったんだ」

 

「もっと優しくしてくれるものかと思っていました」

「今日は優しくする」

 

今日もするのかとチヤは空を仰いだ。

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台所から派手にものを落とす。さっきから料理が全然進まない…

「チヤ…ここはオレがやる。そんなことより、隠し事してない?」

チヤの肩がびくっとはねる。

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「に、妊娠しました」

「やっぱり?やったー!」無邪気に喜ぶアンガスさんを見てほっとする。

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「ねぇ、前に誕生日プレゼントは特別なものをあげるって言ったの覚えている?」

「あ!」

「それがオレたちの子……はぁ、なんて幸せなんだろう。誕生日と新しい命におめでとう」

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それからアンガスさんは私を浴場に誘って体を労わってくれた。

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そして皆に妊娠したことを報告する。

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「チヤくん!遅くまで出歩いちゃダメだよ、アンガスは迎えに来ないの?」

「探索からまだ帰ってきてないんです」

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テレーゼさんも自分のこと以上に私に気を配る。

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ティムさんまで!?未実装の料理ってなんだろう?魔法の料理かな。

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特にオスキツ国王の心配性はすごかった。畑仕事をしていれば何をしているの?と現れる。

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そして気が早くてミルクを渡そうとする始末。国王の威厳はどこへやら。先に生まれた孫にとっても、これから生まれる赤ちゃんにとっても、お茶目なお祖父ちゃんだ。

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「オレからも父さんに気が早いって言っておくよ」

アンガスさんは珍しく畑仕事を手伝ってそう話す。きっとオスキツ国王に言われたのね。

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それからアンガスさんは探索や仕事を控えて、私のそばにできるだけいてくれた。

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年末、アンガスさんの騎士隊長としての役割は終わる。

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名残惜しそうに教室を後にするアンガスさんの背中。

子供たちに携わる教師の仕事が一番、性に合っていたんだと思う。

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来年もどうぞよろしくお願いします。